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2007.05.22 Tuesday |  | - | - | - | 

告知までの3日間(1)

 いつもは音楽をたっぷりのボリュームでかけながら走る実家までの道のりも、今日は何も聞く気にならない。私はただひたすら母に会いたい一心でハンドルを握っていた。心を落ち着かせても、不思議と涙というのはただただ溢れてくる。どうせ泣くなら、運転しているひとりだけの時間のほうが思いっきり泣ける。

 帰ると、年老いた祖母と目を腫らした父が力なく座り込んでいる。私は二人の顔を見るなり、「大丈夫って!!治るとよ、ガンはっ!!!」と明るく声をかけた。まるで、自分自身に言い聞かせているようだった。
「んで、お母さんは?」
「まだ病院から帰って来とらん。兄ちゃんが先生から説明ば聞いてくると思うけど、お母さんはまだこのこと知らんけん」
「うん、わかった」

 それから母と兄が病院から帰ってくるまでの2時間ほど、まず、今自分の持ち合わせているだけの知識と本で、私は対策を立てることにした。父は病院の治療以外に道はない、と思い込んでいる。母の辿るべき道は「延命」だけだと。そうじゃない。ガンを治す方法は他にもたくさんある。「母のガンは私が絶対に治す!!」、母のガンを知った瞬間から私はそう決めていた。
 更に私は、本やインターネットを使って情報を集め、あらゆる治療法を探した。兄にも諦めることなく一緒に戦って欲しかったからだ。希望を持って欲しい……家族みんなに。だから、私には落ち込んでいる時間は一時としてなかった。

 そうして兄が帰ってきた。
「今、お母さん家に寝かせてきたけん。会うてやって」兄のこれほどまでに憔悴した顔は、私は今まで見たことがない。
「先生、なんて言わしたと?」私は真っ先に、気になっていることを聞いた。
「肺ガンって。首のリンパも気になるけん、詳しく検査させてくれって言われた。レントゲン、両方(の肺)とも真っ白やった。昨日の夜中、背中に激痛の走ってから、朝までその痛みの続いとって、お母さん一睡もできんやったみたい。朝聞いて、慌てて俺が病院に連れて行ったったい。病院でもね、診察までの待ち時間も座っておりきらんで、ベッドに寝かせてもらいながら待ったとさ。一応痛み止めに座薬入れてもらったけど、それも全然効いとらんごたっもんね。こないだの検査の結果が11月2日に出るけん、そのときはお母さんも一緒に話聞くことになると思う。お母さんは告知の項目に丸つけとったけん、3日後にはお母さんも知ることになる」
「……今も痛かって……?」痛みがある、そう聞いただけで私の胸が痛んだ。
「うん、病院から3日分の座薬貰ってきたけど、強か薬みたいで、6時間おきにしか使えんとって。背中ばさすってやったら、ちょっと和らぐぐらいかな」
「とりあえずお母さんとこ行ってくる。そんで、これからの治療法とかは私にも考えとる方法のあるけん、戻ってきてから話す」
「お前、お母さんの前で泣くなよ、不安にさせるだけやけん」
「うん、わかっとる……」絶対泣かんぞ。何度も呼吸を整えながら、母の元へと向かった。
 
2007.02.10 Saturday | 01:22 | comments(0) | trackbacks(3) | 家族で挑むガン闘病記 | 

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